研究内容
自然は人類の英知を遥かに越えた複雑な構造、有用な生物活性を持つ有機化合物(天然物)を人類に提供してくれます。これまでも、そのような優れた天然物の中から数多くの医薬品が見いだされ、人類の健康に寄与してきました。しかしながら、天然より見いだされた膨大な数の天然物のうち、詳細に生物活性が調べられているものは全体からすればごくわずかです。また、天然には人類が未だ目にした事の無い新しい化合物がまだまだ眠っています。つまり、自然界に存在する天然物は有用な医薬品シーズの宝庫です。
一方で、天然物を生物学的に、また、有機化学的に理解するためにはその量的供給が必要となりますが、天然資源から大量に供給が出来るケースはほとんどありません。ですから、多くの天然物はその潜在能力が未知のまま放置されているというのが現状です。
私たちは有機化学を学ぶものとして以下の目標を掲げ、日々研究を行なっています。
1)天然より新しい生物活性化合物を見いだす。
2)独自の反応を開発し、それらを組み合わせ、市販されている石油原料から貴重かつ将来性のある天然物を効率的に全合成(供給)する。
3)合成した天然物やその誘導体を用いて生物学的研究を発展させ、生物の仕組みを理解し、新規医薬品開発に貢献する。
研究室の歴史と天然物ライブラリー
1962年、坂井進一郎教授がアルカロイドの天然物化学を主たる研究とする薬化学研究室を立ち上げました。1994年、薬学部附属薬用資源教育研究センターに相見則郎教授が生体機能性分子研究室を立ち上げ、翌95年に坂井教授の定年退職に伴って、薬化学研究室で培われたアルカロイド研究は相見教授に引き継がれました。2004年、高山廣光教授が研究室を引き継ぎ、天然物の単離、構造決定だけでなく、全合成、医薬品化学分野で大きなご功績を残されました。2021年、現教授である石川が研究室を引き継ぎ、時代に合わせて研究室名を中分子化学研究室へ改名しました。
当研究室では、1962年発足から現在まで、一貫して植物アルカロイドの化学的研究を展開してきました。石川が着任してから、研究室60年の歴史の中で蓄積された膨大な数の天然物を、生物活性評価のためのライブラリーとして整備しています(2022年11月の時点で400種)。現在、学内共同研究により生物活性スクリーニングを展開しており、当研究室発の医薬品創製を目指しています。
研究室に興味のある方へ
研究室見学も随時受け付けております。ご興味のある方は石川まで。
電話:043-226-2914 メール:h_ishikawa[at]chiba-u.jp
募集要項
日程および募集要項の詳細は当学部学務係にお問い合わせ下さい。
Tel : 043-226-2941
修士課程:
願書受付;七月下旬、試験;八月中旬
博士課程:
- 一回目願書受付;七月下旬、試験;八月中旬
- 二回目願書受付;一月上旬、試験;一月下旬