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分子心血管薬理学 教授
高野 博之 |
私たちの研究室では、循環器疾患の病態解明やそれに基づいた新たな治療法の開発を目指した研究(細胞や動物を用いた基礎研究)を行っています。循環器疾患というのは、研究室の名前でもある「心血管」すなわち、心臓や血管に関連する病気のことです。心臓の疾患としては、狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、心不全、不整脈などがあります。血管の疾患としては、高血圧、大動脈瘤、解離性大動脈、閉塞性動脈硬化症などがあります。これらの疾患には適切に治療されないと死に至るような怖いものもありますが、わが国でも高齢化や生活習慣の欧米化により循環器疾患の患者数は増加傾向にあります。
これまでたくさんの治療薬が開発され使われてきましたが、治療に反応せず改善がみられない患者さんはまだ多くいらっしゃいます。循環器疾患の治療に関してはまだまだ完成された段階ではありません。特に心臓の働きが悪くなる重症の心不全では、生命予後は極めて悪く心臓移植しか治療法がありません。病気の進行を止めるような有効な治療薬を開発して患者さんの役に立ちたいと思います。この分野の研究は決して簡単ではありませんが、強い信念と希望をもって研究を続け成果を社会に還元したいと思っています。
私たちの研究室では、動物実験などの基礎研究とトランスレーショナルリサーチ(基礎研究の成果を臨床に応用させるまでの一連の研究)を積極的に推し進めていきたいと思います。基礎研究では、初歩的な実験手技から分子生物学的手法や生化学的手法まで指導いたします。毎週、研究室内でミーティングを開催し、研究の進捗状況を発表してもらい十分な討論を行います。将来、研究者、薬剤師のどちらに進むにしても発表や討論の技能を向上させることは重要です。自分の考えを正確に伝えるためにどのような工夫が必要か、質疑応答にはどのように対応すればいいか、なども習得してもらいたいと思います。また、定期的に抄読会を開催し英語論文の読み方も指導いたします。一流のジャーナルにアクセプトされるためにはどのように論文を書けばいいかについても習得してもらいます。
もちろん勉強や研究ばかりではなく、楽しい学生生活を送れるよういろいろなイベントも企画していく予定です。まだ小規模な研究室ですので、コミュニケーションを大切にしてメンバーに研究の面白さを知ってもらえるよう努めたいと思います。 |
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