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薬学部の概要

研究院長・学部長の挨拶

 平成の時代が終わって令和の時代が、2010年代が終わって2020年代が始まりました。科学技術(バイオ、AI、ロボティクス、微細加工など)や情報通信技術(5G、IoT、ビックデータなど)の進歩はとくに目覚ましく、医療やくすりを取り巻く環境も大きく変化することが予想されます。医薬品開発では、がんや認知機能障害を含む難治性疾患に対する革新的な医薬品の研究・開発が求められています。さらに2020年1月より感染が拡大した新型コロナウイルス(COVID-19)への対応は予断を許さぬ段階であり、未知の感染症に対する新薬開発も含め、人類が英知を尽くすことで終息に向けた対応が迫られています。以上が、医療を取り巻く現在の状況であり、皆さんはこのような時代背景・社会要請の中、千葉大学薬学部で薬学を学ぶことになります。
   薬学はくすりを介して生命や健康について総合的に研究し医療へ応用する自然科学の一分野です。千葉大学薬学部では薬学科(6年制:定員50名)と薬科学科(4年制:定員40名)からなる2学科制を採用しています。薬学科は、医療薬学、衛生・社会薬学を中心とした講義科目の履修、共用試験、病院・薬局での実務実習、特別実習を通じて、高い研究マインドを持ちチーム医療の中で職能を発揮して活躍する薬剤師の養成を目的としています。卒業後は薬剤師国家試験の受験資格が得られます。薬科学科は、物理・化学・生物系の専門基礎科目、創薬・生命科学系の専門科目の重点的な履修、特別実習を通じて、研究者や教育者として活躍するための基礎学力・応用力・研究能力の育成を目的としています。卒業後殆どの学生は大学院に進学し、修士課程・博士課程を通して国際的な最先端の研究に挑戦します。
   千葉大学薬学部の始まりは、1890年(明治23年)、第一高等中学校への医学部薬学科の設置まで遡ります。その後、千葉医学専門学校薬学科(1901)・千葉医科大学附属薬学専門部(1923)への改称、新制総合大学・千葉大学薬学部の設置(1949)、大学院修士課程(1964)・博士課程(1979)の設置、薬学研究院(研究組織)・医学薬学府(教育組織)の設置(2001)を経て、2006年に薬学科(定員40名)・薬科学科(定員40名)の二学科制(総定員80名)に、2019年より薬学科の定員が50名(総定員90名)になり、まもなく創立130年を迎えます。この長い歴史の中、本学部・大学院は、諸先生方・同窓生を含む先達のたゆまぬ努力により、我が国の薬学の発展に大きく貢献し、国際的にも極めて高い水準の教育研究を維持してきました。本学部・大学院の卒業生の多くが、企業や医療現場、大学・官公庁等におけるリーダーとして国内外で活躍している状況は、教職員や在学生の励みになります。
   千葉大学では、2020年度より全員留学ENGINEプログラムが始動します。薬学を学ぶ皆さんには、これを義務ではなく自分を成長させる手段ととらえて、異文化交流や研究留学をしてほしいと思います。また、専門科目も大事ですが、まずは語学・人文科学・社会科学・自然科学を含む専門科目以外の分野を広く学び、加えて論理的思考力・読解力を含む基礎力をしっかり身につけましょう。その上で薬学の専門分野を履修し、とくに自分で興味を持った内容を深く掘り下げる研究マインドと倫理観を培って下さい。自ら積極的に行動すれば、たとえ失敗しても自ずと道は開けます。皆さんが薬学を基盤として医療を取り巻く数多くの課題に立ち向かい、社会に貢献できる人材となって活躍されることを期待しています。

[薬学研究院長・薬学部長 森部久仁一]